脳神経外科は外科領域の中でも脳と脊髄の外科系疾患を扱う専門性の高い診療科です。これらの疾患は突然発症し、その重症度によっては命に関わるものや、後遺症に繋がるものが多いため、その治療においては十分な説明を、解りやすい言葉で行い、ご本人、ご家族に十分納得していただいた上で遂行することを心がけております。
24時間、365日の救急医療に対応できる脳神経外科として、保険組合員や地域住民の方々の健康推進に貢献すべく、日々研鑽を重ねております。
当院の特徴の一つとしては、全ての脳神経外科疾患に対応できる経験豊富なスタッフを揃えていることです。常勤4名の全員が脳神経外科学会の認定する専門医であり、3名が指導医であり、脳卒中、脳腫瘍、神経外傷などの主要疾患に対して大学病院で経験を重ね、それぞれが専門領域の疾病に対し、最善の治療実績を有しております。
脳腫瘍に対する治療においては、根治を目指しつつ脳機能の温存を優先することを心がけております。脳卒中に対しては発症から治療介入までの時間経過が重要であり、タイムリーな治療判断と、的確な治療実践を目指しており、開頭手術と脳血管内治療のいずれにも対応できる診療体制を推進しております。神経外傷に対しては、迅速な治療介入と、術後の認知機能を含めたリハビリテーションプログラムを構築し、患者様の社会復帰に貢献しております。
また、顔面痙攣や三叉神経痛に対する機能的脳神経外科の世界的権威が非常勤医として勤務しており、的確な手術適応の評価のもとで微小血管減圧術を行っており、本手術を受けていただいた患者様のほぼ全員が治療成果に満足されております。
神経膠腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、下垂体腺腫などを中心に、ナビゲーション、神経生理学的モニタリング、神経内視鏡・外視鏡などの最先端機器を用いて、大学病院に引けを取らない治療実績を示しております。
24時間体制で急性期脳卒中診療に取り組んでおります。脳出血やクモ膜下出血に対する急性期の開頭術、脳血管内治療、脳梗塞に対するt-PA投与、血栓回収術の積極的な実践から、亜急性期の全身管理とリハビリテーション、そして回復期リハビリテーションへの移行といったシステム化した治療プロトコールにより、最善の社会復帰率の達成を示せております。
急性期の救命的処置から、亜急性期の脳圧管理をはじめとした緻密な管理を行い、早期からの認知機能を含めたリハビリテーションの介入を行なっております。必要に応じ、的確な回復期リハビリへの移行を図っております。
三叉神経痛や顔面痙攣に対する微小血管減圧術に関しては前述いたしました。てんかんや頭痛の診断に対しても経験豊富な医師が揃っております。
正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などに対しては、ガイドラインに準拠した診断、治療を実践しております。認知症が疑われる患者様はぜひ一度、脳神経外科医による診療を受けていただきたいと考えております。
脳神経外科は手術療法に偏重することなく、患者様およびそのご家族の皆様にとっての最善の治療選択肢を一緒に考えてゆきたいと思っております。その為に最も大切なことは、医療者と患者側のコミュニケーションと思います。そのために常に同じ脳神経外科専門医が入院から退院まで主治医として関わり、看護師やリハビリテーション担当者も常に担当者を決めて対応しております。困ったこと、知りたいことが御座いましたら、いつでもこれらの医療担当者にお聞きください。十分な医療情報の開示による、納得した医療実践こそが、信頼に繋がるものと確信しております。
厚生中央病院の脳神経外科で治療を受けて、本当によかったと感じていただけますよう、医師だけでなく、全ての医療従事者が日々研鑽を重ねております。我々は脳神経外科疾患に対してチーム医療を実践し、地域の方々に安心して医療を受けていただけますよう、これからも努力し続ける所存であります。
秋元 治朗(あきもと じろう)
役職
副院長、部長
診療科
認定資格
日本脳神経外科学会専門医 日本脳卒中学会 脳卒中専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本レーザー医学会 レーザー専門医 医療経営士3級 身体障害者手帳指定医(肢体不自由) 東京都難病指定医 東京医科大学脳神経外科客員教授 東邦大学客員講師 タイ王国コーンケン大学客員教授
専門分野
脳腫瘍 脳卒中 神経外傷 高次脳機能障害 神経病理学
伊澤 仁之( いざわ ひとし)
役職
副部長
診療科
認定資格
脳神経外科学会専門医・指導医 脳卒中学会専門医 脳卒中の外科学会技術認定医 身体障害者手帳指定医(肢体不自由)
専門分野
脳卒中・脳血管障害 良性脳腫瘍(髄膜種など) 眼窩内腫瘍 水頭症 整容的脳神経外科手術
福原 宏和(ふくはら ひろかず)
髙橋 賢伍(たかはし けんご)
田草川 豊(たくさがわ ゆたか)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
午前 | 秋元 治朗 | 髙橋 賢伍 ※要予約 田草川 豊 (受付10:40~) ※要予約 |
福原 宏和 | 秋元 治朗 | 伊澤 仁之 | 11/2: 福原 宏和 11/9: 髙橋 賢伍 11/16: 伊澤 仁之 11/30: 髙橋 賢伍 |
午後 | 秋元 治朗 (脳腫瘍) ※要予約 |
田草川 豊 (顔面痙攣 ボトックス治療) ※要予約 ※当月の最終週は休診 |
秋元 治朗・伊澤 仁之 (セカンドオピニオン) ※要予約 |
髙橋 賢伍 (血管内治療) ※要予約 |
田草川 豊 ※要予約 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
glioma | 11件 |
meningioma |
5件 |
pituitary adenoma |
2件 |
neurinoma |
1件 |
metastatic tumor |
1件 |
craniopharyngioma |
0件 |
lymphoma |
10件 |
germ cell tumor |
0件 |
medulloblastoma |
0件 |
その他(頭蓋内腫瘍) |
2件 |
合計 |
32件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
aneurysm | 13件 |
ruptured |
(4件) |
unruptured |
(9件) |
dissecting aneurysm |
2件 |
unknown SAH |
0件 |
AVM |
4件 |
dural AVFおよびCCF |
1件 |
ICH |
21件 |
高血圧性 |
(21件) |
非高血圧性(SAH含む) |
(0件) |
moyamoya disease |
0件 |
虚血性疾患 |
80件 |
その他(脳血管障害) |
1件 |
合計 |
122件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
頭部単純打撲 | 0件 |
脳震盪(骨折なし) |
0件 |
頭蓋骨骨折(血腫を伴わない) |
1件 |
脳挫傷・脳内血腫 |
5件 |
硬膜外・下血腫および外傷性SAH |
13件 |
慢性硬膜下血腫 |
27件 |
外傷性CCF |
0件 |
びまん性脳損傷(脳震盪) |
0件 |
その他(頭部外傷) |
1件 |
合計 |
47件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
髄液腔異常発育(先天性水頭症、くも膜嚢胞) | 0件 |
脳奇形性疾患(閉塞性水頭症の原因を含む) |
0件 |
分離障害-閉塞障害(二分頭蓋・脊椎) |
0件 |
その他(先天奇形) |
0件 |
合計 |
0件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
髄膜炎 | 0件 |
脳膿瘍 |
0件 |
硬膜外・下血腫(術後を含む) |
2件 |
その他(感染性疾患) |
0件 |
合計 |
2件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
脊髄腫瘍 | 2件 |
脊髄血管奇形 |
0件 |
脊椎変性疾患(脊椎管狭窄症、OPLL含む) |
0件 |
脊椎脊髄外傷 |
1件 |
奇形(脊髄空洞症含む) |
0件 |
その他(末梢神経障害、感染症、変性疾患など) |
0件 |
合計 |
3件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
てんかん | 10件 |
脳神経障害(顔面麻痺・三叉神経痛を含む) |
14件 |
その他(機能的疾患) |
0件 |
合計 |
24件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
突発性水頭症 | 3件 |
傷病名 | 件数 |
---|---|
その他 | 1件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
摘出術(全摘・亜全摘・部分摘出術) | 11件 |
内(広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術) | (0件) |
生検術 |
1件 |
(開頭術) |
(1件) |
(定位手術) |
(0件) |
(神経内視鏡手術) |
(0件) |
経鼻的下垂体腫瘍摘出術 |
0件 |
減圧開頭術のみ(脳腫瘍) |
0件 |
頭蓋形成術(脳腫瘍) |
0件 |
Ommaya reservoir設置術 |
0件 |
その他(脳腫瘍) |
1件 |
合計 |
12件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
脳動脈瘤(解離性も含む)(血管内手術は別記) | 11件 |
破裂動脈瘤手術 | (3件) |
未破裂動脈瘤手術 |
(8件) |
動静脈奇形(dural AVFを含む) |
2件 |
(血管内手術・定位放射線治療は別記) |
(0件) |
脳内血腫(cryptic AVM含む) |
5件 |
開頭血腫除去術 |
(5件) |
定位脳手術 |
(0件) |
神経内視鏡手術 |
(0件) |
閉塞性疾患(解離性動脈瘤を除く)(血管内手術は別記) |
5件 |
頭蓋内外血管吻合術(バイバス手術) |
(4件) |
EDAS,EMS |
(1件) |
頚動脈内膜剥離術(CEA) |
(0件) |
減圧開頭術のみ(脳血管障害) |
2件 |
頭蓋形成術(脳血管障害) |
4件 |
その他(脳血管障害) |
3件 |
合計 |
32件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
急性硬膜外血腫 | 0件 |
開頭術 | (0件) |
穿頭術 |
(0件) |
急性硬膜下血腫 |
2件 |
開頭術 |
(2件) |
穿頭術 |
(0件) |
慢性硬膜下血腫 |
32件 |
減圧開頭術のみ(頭部外傷) |
1件 |
頭蓋形成術(頭部外傷) |
3件 |
その他(頭部外傷) |
2件 |
合計 |
40件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
頭蓋・脳 | 0件 |
内 神経内視鏡手術(嚢胞開窓術など内視鏡単独) |
(0件) |
脊髄・脊椎 |
0件 |
合計 |
0件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
脳室ドレナージ術 |
1件 |
先天性 |
(0件) |
その他(脳腫瘍・脳血管障害・外傷など) |
(1件) |
脳室シャント術 |
3件 |
先天性 |
(0件) |
その他(脳腫瘍・脳血管障害・外傷など) |
(3件) |
神経内視鏡手術(第3脳室開窓術など) |
0件 |
その他(Ommaya留置・shunt抜去など) |
1件 |
合計 |
5件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
動脈瘤塞栓術 | 2件 |
破裂動脈瘤 | (1件) |
未破裂動脈瘤 |
(1件) |
動静脈奇形(dural AVF/AVMを含む) |
0件 |
脳 |
(0件) |
脊髄 |
(0件) |
脳血管障害 |
3件 |
頚動脈ステント留置術(CAS) |
(2件) |
頭蓋内ステント・PTA |
(0件) |
その他・ステント・PTA |
(1件) |
選択的脳血栓・塞栓溶解術(血栓回収術を含む) |
0件 |
血管塞栓術 |
0件 |
腫瘍 |
(0件) |
その他 |
(0件) |
その他 |
0件 |
合計 |
5件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
膿瘍 |
0件 |
脳動静脈奇形 |
0件 |
機能的疾患 |
0件 |
その他(定位放射線治療) |
0件 |
合計 |
0件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
脊髄腫瘍摘出術 |
2件 |
脊髄血管障害(dural AVFなど) |
0件 |
脊髄変性疾患に対する手術 |
0件 |
頸椎 |
(0件) |
胸椎 | (0件) |
腰椎 |
(0件) |
脊髄外傷 |
0件 |
前方固定 |
(0件) |
後方固定 |
(0件) |
奇形(脊髄空洞症など) |
0件 |
末梢神経障害(手根管症候群など) |
0件 |
感染症(椎体炎、椎間板炎など) |
0件 |
その他(手術合併症含む) |
0件 |
合計 |
2件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
脳膿瘍手術(被膜摘出・tapping・drainageを含む) |
0件 |
硬膜外・内膿瘍除去術(術後を除く) |
3件 |
頭蓋形成術(感染性疾患) |
0件 |
その他(感染性疾患) |
0件 |
合計 |
3件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
神経血管減圧術 | 14件 |
その他(てんかん・DBS・VNSなど) |
0件 |
合計 |
14件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
末梢神経腫瘍摘出術 | 0件 |
その他(末梢神経系疾患) |
0件 |
合計 |
14件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
術後頭蓋内血種除去術 | 0件 |
術後硬膜外・下膿瘍除去術 | 0件 |
骨弁除去術 | 0件 |
その他(術後合併病態) |
0件 |
合計 |
0件 |
手術内容 | 件数 |
---|---|
センサー設置術 | 0件 |
その他 |
2件 |
合計 |
2件 |
脳血管内治療は「カテーテル」と呼ばれる直径0.5-3mmの細い管を患者さんの足の付け根や肘から血管に挿入した後、大動脈を経由して頚部や脳の血管に誘導し、薬剤や後述する「コイル」や「ステント」などを用いて治療を行います。皮膚や頭蓋骨を切らないため、身体への負担が少ないのが「脳血管内治療」の最大の利点です。
当院では、東京医科大学 脳神経外科 血管内治療班と連携し、脳動脈瘤、頸動脈狭窄、脳動静脈奇形、脳腫瘍、急性脳動脈閉塞および脳動脈狭窄などの疾患に対する脳血管内治療に積極的に取り組んでいます。血管内治療についてのご相談は外来でも対応しておりますので、気軽に声をおかけください。
脳血管内治療の利点
1.患者さんへの侵襲(負担)が少なく、高齢者や合併症をもった方にも施行可能
2.治療後の入院期間が短い
3.外見上の傷が残らない
脳血管内治療の問題点
1.レントゲン透視下の手術なので、脳血管損傷などのトラブルが起きたとき、対応が遅れて後遺症を残すことがある
2.血管の屈曲蛇行が強い場合は治療困難な場合がある
脳血管内治療の対象となるのは以下のような疾患になります。
頸動脈狭窄症
くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)
未破裂脳動脈瘤
頭蓋内脳血管狭窄
脳動静脈奇形
硬膜動静脈瘻
脳腫瘍
近年、食生活の欧米化、検査機器技術の向上により、脳梗塞の原因として頸動脈狭窄症が非常に注目されています。脳梗塞によって症状が出現する場合だけではなく、一過性の症状(運動障害、言語障害、視野障害など)や症状がない場合でも、頸動脈が高度狭窄になっていて、将来的に脳梗塞を起こす危険性がある場合もあります。
高度頸動脈狭窄に対する治療法は、
1.血液をさらさらにする薬(抗血小板薬)による内科的治療
2.メスを入れて血管を切開し病変を摘出する頸動脈内膜剥離術
3.最近注目されている頸動脈ステント留置術
があります。
ステント留置術は、血管造影検査と同様に足の付け根からカテーテルを挿入して行うため、通常は全身麻酔も不要で手技時間も60分程度で終了します。したがって、高齢者、合併症のせいで全身麻酔が厳しい患者さんなどでも手技が可能ですし、入院期間も数日と短く済みます。我が国でも2008年4月から保険適応治療となったことから今後さらにステント治療の適応症例は増えるとみられています。
くも膜下出血の原因の80%以上は、脳動脈瘤による破裂であり、発症すると約30%の方は死亡し、治療がうまくいって助かっても重大な後遺症が残る方は約30−40%、社会復帰できる方は約30%とされています。一旦出血した脳動脈瘤は、再び出血しやすく、2度目の出血によって死亡したり、重い後遺症が残る可能性が高くなります。
そこで、2度目の出血がおこる前に、早急に再出血を予防する治療(手術)が必要になります。脳動脈瘤に対しての治療法は、開頭手術によって動脈瘤の根元を止めるクリッピング術とカテーテルで動脈瘤の中にコイルを詰めて血栓化させてしまう塞栓術の二通りがあります。脳動脈瘤コイル塞栓術も通常の血管造影検査と同様に、まず足の付け根からカテーテルを頚部の動脈まで誘導し、その中に通した直径1mm以下のマイクロカテーテルを動脈瘤内に誘導します。そのマイクロカテーテルから形状記憶されたプラチナコイルを瘤の中に入れてゆき、動脈瘤が血栓化するまでの手技を続けます。塞栓術は侵襲が少ないので、高齢者や重症くも膜下出血など全身状態が不良な患者さんにも施行可能ですし、外科手術の難しい場所でも治療が可能です。
現在、当院では個々の症例に応じて、開頭術、塞栓術のどちらの治療法が安全に施行できるかを検討し、それぞれの治療法の長所、短所を含め、十分に説明した上で、治療を選択しています。
わが国では脳ドックの普及も相まって、検査機器の性能の向上とともに、症状なしで未破裂脳動脈瘤が見つかる機会が増えています。そのため偶然みつかった脳動脈瘤を手術するべきなのか、そのままおいて経過をみてもいいのか、当院では詳しい説明を行っております。
くも膜下出血の原因の80%は脳動脈瘤の破裂であり、現在でもその死亡率は30%前後に至り、医学の発達した現代でも治療困難な病気です。しかし、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の発症率は人口10万人に対して年間15−20人であり、また未破裂脳動脈瘤の破裂率は、年間1%程度と考えられています。ただし、脳動脈瘤の歪な形状、大型、喫煙歴、高血圧、アルコール多飲、くも膜下出血の家族歴、多発例などを有する場合は破裂する危険性が高くなるといわれています。
以上のことをふまえ、私達は、無症候性未破裂脳動脈瘤の治療に際しては、個々の年齢、既往歴、家族歴、動脈瘤の大きさなどから破裂する危険度を客観的に評価し、根治治療を行う場合には開頭クリッピング術とコイル塞栓術、両者の長所、短所など、十分な説明を行った上で、最終的にご本人の希望に基づいて治療方法を選択しています。
硬膜動静脈瘻は脳を包む膜にできる異常血管で、耳鳴りや眼症状(充血、むくみ、2つに見える)で発症し、悪化すると脳出血、てんかん発作、痴呆症、意識障害などを生じます。症状がある場合や無くても脳出血を生じる可能性がある場合は治療すべきです。血管内治療が適応となりますが、安全で有効な治療には、高度な神経放射線学的知識と血管内治療の技術が必要で、経験の多い専門医による治療が望ましいと思います。
複視、目の充血で発症した硬膜動静脈瘻に対する塞栓術
硬膜動静脈瘻(左△)に対して、コイル塞栓術を施行し(中)、閉塞した(右)。
診療科