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『めまい』は様々な原因で起こる症状です。原因ごとに、耳の病気、脳の病気、その他全身の病気と分けられます。
それではめまいをおこす疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?
耳鼻咽喉科のめまいには多い順に①良性発作性頭位めまい症 ②メニエール病などがあります。今回はこの2つの病気について解説します。
めまいの中で最も多いのが『良性発作性頭位めまい症(BPPV:Benign Paroxysmal Positional Vertigo )』です。耳鼻咽喉科を受診しためまい患者さんの40%前後を占めるといわれています。
頭の位置を動かしたときに発作的にめまいが起こる良性の病気です。
この病気の特徴としては、以下の3つがあげられます。
耳の奥にあって重力を感知する耳石器の耳石という小さな結晶が原因です。この耳石が回転感を感知する半規管に迷い込んでしまって半規管のリンパ液の流れを乱して頭の動きを過剰に感知して強い回転感を感じてしまうのです。
耳石が前庭という場所から外れてしまう理由としては、交通事故やけんかなどで頭を強く打ったことでも起こるのですが、多くの場合は原因不明です。
治療は、耳石という小さな石が動くことでめまいが誘発されるため、薬物療法ではなかなか効果がないこともあります。多くの場合は次第に改善します。
最近では浮遊耳石置換法と呼ばれる治療法があります。
頭位・頭位変換眼振検査を行い、良性発作性頭位めまい症と診断がつき、原因の半規管が確定した場合に行われる治療法です。
耳鼻咽喉科のめまいのひとつにメニエール病があります。よく耳にすると思いますがメニエール病とはいったいどのような病気なのでしょうか。
難聴や耳鳴りなどの蝸牛症状を伴う回転性のめまいを繰り返す病気で、強い発作の時は吐き気や嘔吐も生じます。この病気の特徴は以下の3つがあげられます。
原因ですが、耳の奥の内耳を満たしている液体(内リンパ液)が増えすぎて内耳がむくんでしまうことです。この内リンパ液が増えすぎた状態を内リンパ水腫と呼び、これがめまいのほか難聴や耳鳴り、耳閉感をひきおこします。
治療は、発作の強い急性期には重曹水や制吐薬の点滴を行い、症状がある程度おさまったころから内リンパ水腫を抑える目的で利尿薬を服用していきます。難聴の進行が著しく改善が乏しい時は副腎皮質ステロイドを併用する場合もあります。
症状が長期にわたって続く場合、日常生活に支障をきたしている場合は手術を行うことがあります。内リンパ嚢開放術はリンパの通り道を作成し、めまいを軽減させる術式です。
また、症状が落ち着いているメニエール病の患者さんでは、生活リズムを整えることが大切です。
『睡眠をしっかりとる』『ストレスをため込まない』『水分をしっかりとる』『適度な運動をする』の4つが大切です。
めまいは突然起こりうる疾患であり、どのような症状があるのかを正確に見極めることが治療につながっていきます。
直立姿勢のまま目を開けたり閉じたりして頂き、身体の揺れを記録します。また、柔らかなクッションに乗って頂き、同様の姿勢で記録をします。
内耳系のバランス機能を調べます。
めまいが起きている時、目は絶えず振り子のように小さく揺れています。
この意識のない目の揺れを眼振と言います。
眼振の現れ方を観察することで、めまいの有無や程度、原因を調べます。