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消化器病センター内科・外科
腹腔鏡・内視鏡合同手術
Laparoscopy Endoscopy Cooperative Surgery (LECS)
腫瘍径が5cm以下の胃GISTもしくは粘膜下腫瘍
胃にできる腫瘍は粘膜から発生する胃癌が最も多いのですが、粘膜の下にできる腫瘍もあります。それらをまとめて粘膜下腫瘍と呼び、良性のものから悪性のものまでさまざまなタイプの腫瘍があります。そのなかに消化管間質腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor: GIST)と言われる腫瘍があり、小さければ、経過観察でよいですが、大きくなると転移をきたすことがあるため、2cmを超えるものは手術を考えないといけない病気です。
現在、多くの施設では腫瘍径が2-5cmの腫瘍に対し、腹腔鏡下胃局所切除術が行われています。しかし、腹腔鏡のみの手術では腫瘍の位置がわかりづらく、腫瘍の周辺ごと、まとめて切除せざるを得ませんでした。切除する範囲が大きくなると、胃の変形を来たし、通過障害などの後遺症を起こす可能性がありました。これらの問題点に対し、腹腔鏡・内視鏡合同手術が開発され、従来の方法に比べ、余分な切除をなくすことで、胃の変形を防ぎ、機能が残せるようになりました。
この手術(LECS)は全身麻酔にて行います。腹腔鏡下胃切除と同じように、おなかに5~12mmの穴を5カ所あけ、そこから鉗子という細長い道具を入れ、おへそから入れた腹腔鏡でおなかの中を観察しながら、手術を進めていきます。同時に早期胃がんに対して行われている内視鏡的粘膜下層剥離術の手技を利用して、内視鏡医が胃の内側から腫瘍の周りを剥離します。その後、その剥離線に沿って、胃の外側から外科医が腫瘍を切除していきます。腫瘍を切除して、穴が開いた胃の部分は腹腔鏡下に縫合処置をして閉じ、腫瘍を回収して手術終了です。
この手術方法は、消化管を部分的に切除するのではなく、局所のみを切除するため、従来の手術に比べても極めて負担の少ない低侵襲治療と考えます。術後の体力低下などが懸念される患者さんにも可能です。
当院の特色の一つである内科・外科の連携の強さを生かし、消化器病センターとして適切な診療・治療方針を検討・協力しながら最善の治療を提供できるように努めております。