IVRについて

IVRとは

IVR(アイ・ブイ・アール)という治療は、日本語では「画像下治療」と訳されます。
画像下の「画像」とは、病気があるか?どこにあるか?どんな性質かを調べるときに使用するX線(レントゲン)やCT、超音波などの画像診断装置のことをいいます。
画像下の「下」とは、それらの画像診断装置で体の中を透かして見るという意味です。
つまり、画像診断装置を使用して体の中を透かしてみながら、血管などに細い医療器具(カテーテル等)を入れて、標的となる病気の治療を行うことを言います。
当院で多く行っている心臓のIVR(経皮的冠動脈形成術、冠動脈ステント留置術など)、脳血管のIVR(頸動脈ステント留置術、脳動脈瘤コイル塞栓術など)をページ下部のリンクからそれぞれ説明いたします。

IVRは局所麻酔(針を刺す部分だけ麻酔をする)で行うことが多いのが特徴です。
局所麻酔で行うということは意識がはっきりしたまま治療を受けるということです。
「意識がある」と聞いて「こわい」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、治療中は看護師がつきっきりで患者さんの看護にあたります。治療中、心配なこと、辛いことなどがあれば遠慮なくおっしゃってください。「意識がある」ということはこのようにお話をしながら治療を受けられるというメリットでもあります。もしも、自分、家族、知り合い等の誰かが御病気でIVRでは治せないかしら?と思った方は是非、循環器、脳神経外科、もしくは掛かり付けの医師に御相談下さい。

循環器内科
経皮的冠動脈ステント留置術

診療科 循環器内科
治療名 経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈ステント留置術
適応 狭心症・心筋梗塞

方法と特色・利点

狭心症と心筋梗塞は心臓の筋肉を養う冠動脈の狭窄や閉塞で起こる疾患です。これは主に冠動脈の動脈硬化が原因になっています。自覚症状は胸の痛みや締め付けられる感覚です。診断は心電図、血液検査、冠動脈CT、冠動脈造影検査で行います。冠動脈に狭窄があった場合には経皮的冠動脈形成術や冠動脈ステント留置術の適応になります。治療方法は局所麻酔でカテーテルを使用して行います。風船で冠動脈を拡げる冠動脈形成術と冠動脈ステントを冠動脈内に置く冠動脈ステント留置術があります。治療時間は1時間から2時間、入院期間は2日から3日くらい必要です。安全性は極めて高く行うことができます。

実績(2017年に施行した件数)

経皮的冠動脈形成術(PCI:Percutanous coronary intervention)

総症例数 76例
薬剤溶出ステント使用症例数 89件
薬剤コーテッドバルーン 8例

循環器内科
電気的心筋焼灼術

診療科 循環器内科
治療名 カテーテルアブレーション(電気的心筋焼灼術)
適応 発作性上室頻拍、WPW症候群、心室期外収縮

方法と特色・利点

カテーテルアブレーションとは、不整脈を引き起こす異常な心臓内の局所に焼灼を行い正常なリズムを取り戻す方法です。最初に足の付け根や首の静脈からカテーテルと呼ばれる径1.3~2.6mmの細長い管を挿入し、血管をたどり心臓の中へと進めます。カテーテルの先端付近には電極と呼ばれる金属がついていて、心臓内の電気現象を記録したり、心臓を電気刺激したりして不整脈の原因を突き止めます。

つぎに治療部位へアブレーション専用のカテーテルを進め、高周波電流を流します。高周波電流によってカテーテルと接した心臓組織が温められ障害されることで対象の不整脈が消失します。
治療に要する時間は不整脈の種類によっても異なりますが、1時間から数時間程度で、3~4日の入院で行います。

実績(2015年に施行した件数)

電気的心筋焼灼術 7件