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頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症 (けいついしょうせい せきずいしょう)

1)  病態
 
腰部脊柱管狭窄症と同じように、加齢により頚椎の椎間板や黄色靭帯が膨隆して脊髄を圧迫する疾患です。初めは手のしびれ程度ですが、脊髄の圧迫が進むと、箸やボタン掛けがぎこちなくなり、紐を結ぶ・字を書くなど指の細かい動作が不自由になってきます。また足の運びもぎこちなくなり、進行すると歩くのに支えが必要になります。この疾患は加齢とともに少しずつ進む傾向があり、手の巧緻性障害や歩行障害が長く持続する時や、症状が進行するときは手術が勧められます。また転倒したときに急に悪化し四肢の麻痺を来すことがあるので注意が必要です。

2)  手術

手術方法には頚椎の前方から侵入する前方除圧固定術と後方から侵入する後方除圧術がありますが、どちらを行うかは脊髄圧迫の状態によって選択されています。当科では主に後方除圧法を行っていますが、脊髄圧迫が1~2椎間の狭い範囲の場合は、侵襲の少ない選択的椎弓切除術を行い、圧迫範囲が多椎間の場合は堆弓形成術を行っています。

 (1) 選択的椎弓切除術

  脊髄が圧迫されている部分の椎弓だけ1ないし2個所を切除する方法で、棘突起とこれに付着する靭帯はできるだけ温存します。

 (2) 椎弓形成術(脊柱管拡大術)

 脊髄後方の椎弓に切れ目を入れ、ドアを開くように移動させて脊柱管を拡大させる方法です。拡大の方法には、片側に開く片開き式 と両側に開く正中縦割式がありますが、前者は慶応大学の平林教授により、後者は東京大学の黒川教授により考案された方法で、現在は世界でもこの方法が多くの国で行われています。当科では脊髄圧迫の状態によってどちらかを選択しています。