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疾患一言メモ

高齢者肺炎について

高齢者の直接死亡原因の上位を占めているのが肺炎てす。従って肺炎は高齢者にとって最も怖い病気の一つと言えます。

原因

  • 1. 高齢者は臨床症状が定型的ではなく肺炎になっても咳・痰・発熱等の症状を訴えることが少なく、何となく元気がない、食欲がない、朝起きてこない等、本来の症状ではないことが多く、また重症化しても呼吸苦を訴えることも少なく、診断に苦虚し見逃されやすい。
  • 2. 高齢者では一人で多くの病気(病理解剖所見から70歳代では5.5個の病気がある)を抱え、肺炎にかかると他の病気も悪化しやすい。
  • 3. 高齢者では多くの臓器の予備力が低下(特に腎機能と呼吸機能)しているため臓器不全に陥りやすい。
  • 4. 高齢者では肺炎が治って後遺症や認知症状の出現によりADL(活動的日常生活)が低下し社会復帰が難しく、また退院しても栄養状態が悪くなり再発しやすい。

これらが、高齢者が肺炎にかかったときに重症化しやすい理由です。さらに、加齢に伴い高齢者では咳・嚥下反射等が低下し、夜間寝ている間に知らずに口腔内細菌を含んだ唾液を誤嚥して発症する誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)が高齢者では多いのが特徴です。誤嚥性肺炎は何回も繰り返すことが多く、そのうちに耐性菌感染症となり重症化することが多いのです。
このような理由で肺炎は高齢者にとって最も怖い病気の一つと言えます。

高齢者の方が何となくいつもと違うような感じがありましたら、早期に医療機関に受診することが病気の早期発見に必要です。最も重要なのは高齢者を敬い大切にする気持ちを持つことだと思われます。